本作の印象について
玉置
ボーイズラブを題材とした作品でありながら、僕が思っていたよりも個と個のぶつかりを強く感じる作品だった。「まっすぐ」であろうとするほど言動が屈折してしまう駿に、好感交じりのため息をつく一方で、「まっすぐ」を表現してしまえる実央に息を飲む。自分はまっすぐだろうか、自然だろうか、そう考えているうちに、波が爪先にぶつかって冷たい。同じ種族であり、異なる個体である人間同士が、どのように関係を創り、そしてこじれるのか。海を眺めているうちに、そういうことを覗いてしまったけれど、最後には心地よい風が吹き抜けていくようだった。
主題歌の曲について、また聞きどころについて
玉置
「ゾッコン」という言葉に惚れ込んで高校三年生のときに作った曲。当時は、恋愛感情を知りたてのころで、その人のことしか考えられない気持ちと、斜に構えた自意識とがせめぎ合っていた。理想を盲信して突っ走る若さと、現実は常にままならないことを知ったつもりでいる若さとが、曲に出ていると思う。それらをすべて風でさらうような曲になったはずなので、涼しくなってもらえたらうれしい。暑苦しく感じてもらってもうれしい。僕は髭面でこの曲を演奏するかと思うと少し恥ずかしい。
『海辺のエトランゼ』を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いいたします。
玉置
僕も楽しみです!はじめまして、よろしくお願いいたします。