伊賀、甲賀と並び称される忍の集団。伊賀者は契約でのみ動き、甲賀者は主家や人に仕える。風魔は金にも人にもつかないが、何を於いてもその目的を遂げると言われる。実は大蛇の眷属であり、その復活のために暗躍してきた。
双子の兄。その才は仲間の中でも際立っており、人望も兼ね備える。弟である壱雨をもう一人の自分のように思う一方、かつて弟に命を救われた自分だけが日の当たる場所にいることに負い目を感じている。また、母の愛を一身に受ける弟を羨んでいる。
双子の弟。かつて壱助を護るために右手に深い傷を負っており、思うように動かせない。以来、彼は兄のために身を隠し続けている。壱助のことをもう一人の自分のように思っているが、風魔として生きることができる兄を羨んでいる。
空丸に想いを寄せる抜け忍、錦の幼少期。七々緒という名前の姉がいる。元服の義の際に母を手にかけた姉が、以前と変わってしまったことを心配している。
壱助と壱雨の父。手練の忍だが、今の風魔の在り方に疑問を感じている。掟を破って育てている二人の息子に、互いに助け合って生きていくよう教える。
壱助と壱雨の母。永四郎と同じく、忍としての実力は確か。自由に表に出ることができない壱雨を溺愛する一方、壱助にはどこか冷たくも見える態度をとるが……。
曇家の長男。いつも豪快に笑っており、周囲の人々を自然と惹きつけてしまう器の大きな男。腕っ節の強さと剣の腕前は天下一品。かつては犲に所属していたが、訳あって犲たちとは距離を置いてきた。大蛇討伐ののち、左半身の自由が効かなくなっている。
曇家の次男。兄・天火に置いていかれまいと、兄の盟友・蒼世に剣を学び、その実力は日増しに高まっている。半身が効かなくなった兄に代わり、曇家の当主となって大津を護る決意を固める。
年の離れた兄・天火を父のように慕う、まだまだ無邪気な三男坊。素早い身のこなしと鉄礫(つぶて)投げ、そして持ち前の明るさで兄たちを支える。大蛇討伐以来、天火の様子がどこか変わってしまったことに心を痛めている。
天火の無二の盟友。天火が犲から脱けたのち、部隊を率いてきた。陰陽師・安倍家の末裔だが剣の道に進み、その腕の冴えは天火と互角。つねに冷徹に振る舞うものの、秘めた優しさと熱い志を胸に抱く。