岩井俊二監督『花とアリス殺人事件』、宮崎駿監督『毛虫のボロ』のCGスタッフとして頭角を現し、『新世紀いんぱくつ。』で監督デビュー。
TVアニメ『イングレス』ではその高いクオリティで世界を驚かせ、次世代の監督として注目を集めている。
クラフタースタジオに所属し、最新鋭のアニメーション技術「スマートCGアニメーション」にこだわり、話題作を発表し続けている。
『あした世界が終わるとしても』というタイトルは、いろんな方とアイデアを出していく中で「観てくれる人に何かを問いかけるタイトルがいいね」ということになり、タイトルの後に観てくれた方やキャラクターたちの言葉が続くようなものにしました。
昨今、日本はマンネリ化しているというか、国としても目標が見つけづらくなっているのかなという感覚があります。そこに、もうひとつのセカイから独裁国家を良しとしない若者がやってくる。それがもうひとりの自分で…。そんな状況の中で「現代の若者はどういうリアクションをするんだろう」と思って作りました。状況が変われば同じ人間でも色々変わるんじゃないか。そういう部分も描きたかった。
狭間真は現代っ子の代表です。個性を強くしすぎないようにし、逆に色んなことをこじらしている感を出してみました。基本的にはスカしています。
とても自意識が高い。何の根拠もなく自分は特別である、何かできるわけでもないけど自分には何かがあるのかもしれないって思っていそうな感じ。そんな奴がどんどん熱くならなくてはいけない状況に陥っていきます。
今作は、真と琴莉の友達以上恋人未満状態から始まります。そして後半のアクション。そのギャップをみせたいというのが当初からありました。その為に、日常芝居ではモーションキャプチャーを使用し、通常の手描きアニメなら止まっている部分、服や髪だけでなく視線なども繊細に動かしています。アフレコでは、息遣いやリアクションを多く入れてもらい、それを表情や動きに反映させ、細やかな動きからリアルな感情表現を目指しています。反対にアクションシーンでは、手付けアニメーションで外連味ある動きを出しています。