振付
ウィルフリード・ロモリ
プロダクションノート
パリ・オペラ座元エトワールの人生初の仕事
「ジゼル」「二羽の鳩」の振付は、パリ・オペラ座バレエ団元エトワール/パリ・オペラ座バレエ学校教師のウィルフリード・ロモリが担当した。オファーを受けたロモリは、「人生で一度も経験したことのない類の仕事なので、とても興奮しました」と振り返る。
「ジゼル」の振付については、とりわけペイザントの踊りに多くの作業を要した。元々複雑なパートであることと、オリジナルの振付とはっきりと言えるものがないからだ。どのバージョンでも使われている基本のステップはあるが、振付師がそれぞれのやり方でデュオの順番を決めていて、ステップやエポールマンが少しずつ異なっている。ロモリは基本のステップを使いながら、いくつかのパッサージュや方向、グループの動きなどを考案した。「これにはかなりの作業を要しました」とロモリは語る。
「二羽の鳩」に関しては、新たな振付は考案せず、フランスでオリジナル版とされているものに基づいた。ロモリは「この演目は私がまだバレエ学校の生徒だった時、ジプシー役で踊った経験があります。50年後にまた舞い戻ることになりましたが、振付の知識はなかったので学ぶ必要がありました」と説明する。「この踊りで使われる花のガーランドを知人から貸してもらいました。おかげで適切な距離が把握できました」とロモリ。
その後、自分一人で踊ってみて考えた振付が、果たして舞台のサイズに収まるのか、各々のデュオが正確な位置まで進むのにステップが十分に足りているのか、それぞれの役を踊りながら確認していった。「大変な作業でしたが楽しかったです」とロモリは語る。

完成した振付を動画に起こす
振付が完成した後、ロモリはそれをすべて紙の上に再現する作業に入った。紙にステージのリノリウムを示す縦横の線を引き、各デュオを配置し、それぞれのステップ、移動する方向に矢印を入れて段階毎に一枚ずつ描いていった。それらを基にブリュネ スタニスラスが動きを付け動画にしていった。

バレエダンサーへのレクチャー
次の段階では、ロモリが三人のダンサー、来仏した田北志のぶ、根岸祐衣とMYKYTA SUKHORUKOVに直接振付のレクチャーを行った。ロモリは「頭でイメージしていた動きが肉体により具現化され、ダンサーが実際どのように移動していくのを目にして面白かったです」と語る。このようなレクチャーが必要だったのは、配置設計をするためだった。三人には各々様々な位置についてもらい、上手く移動できるのかを確認した。さらにダンサーの三人たちは後日、アニメーションで流れるような動きの踊りを表現するため、日本のスタジオで動きを取り込むデバイスを装着して振付を再現することになるので、その際に実際にはいない右や左のダンサーたちとの位置関係を念頭に置いておくためでもあった。
最後にロモリは、こう締めくくる。「非常に面白い経験でした。この仕事を引き受けて良かったです。色んな学びもあり、充実していました」
