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9/8(月)スペシャルトークイベント付き上映会レポート

9月8日(月)、丸の内ピカデリーにて、劇場アニメ『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』のスペシャルトークイベント付き上映会が開催されました。今回のイベントには、主人公・安曇野りせ役の原菜乃華さん、アリス役のマイカ ピュさん、ヤマネ役の小野友樹さんに加え、篠原俊哉監督、そして本作で初めてイベントに登壇した山田陽音響監督が登場。キャスティングやアフレコ収録の裏側を語る貴重な時間となりました。

まず原さん・マイカさんのキャスティング経緯について問われると、篠原監督は「原さんは主人公・りせと同じ年齢で共感できる部分が大きい。透明感のある声にほんの少し影を感じさせるところがあり、りせを演じる上で大きなフックになると思った」と語りました。原さんは「声の表現に影があって素敵だと言っていただけたのが嬉しく、自分に役を託してもらえたことで大きな自信につながった」と当時の心境を振り返りました。

音響監督を務めた山田陽さんは、原さんとの初タッグ作『すずめの戸締まり』での収録を振り返り、「声優の現場ではマイク前で動けないため、服の擦れる音がしないジャージを着てもらい、動きながら声を出す特訓を3か月ほど続けた。もはや部活のような現場だった」と笑顔で語りました。そのうえで「だからこそ今回キャスティングで原さんの名前が挙がったとき、“僕は原さんならすぐ行けますよ”と太鼓判を押した」と明かし、原さんへの厚い信頼をにじませました。原さんも「数年ぶりのアフレコで不安を正直に相談したが、山田さんに“絶対大丈夫”と力強く言っていただけて肩の力が抜けた」と感謝の思いを明かしました。

続いてアリス役のマイカ ピュさんのキャスティングについて篠原監督は「なるべく作られすぎない、自然体でボーイッシュな声を探していた。マイカさんの声は少し中性的で、笑い声などネイティブさがアリスにぴったりだった」と抜擢理由を説明しました。マイカさんは「普段からおしとやかというより、外で体を動かすのが好きなので」と自身と役柄の共通点を語り、「初めての声の仕事で緊張したけれど、皆さんに優しくしていただき楽しく臨めた」と笑顔を見せました。

前回の舞台挨拶でも話題となった原さんと小野さんの「おはスタ」以来の再会について改めて触れる場面も。「会った瞬間から当時に戻ったようで、本当に幸せだった」と原さんが語ると、小野さんも「再び同じステージに立てるとは思っていなかった」と感慨深げにコメント。お互いに前回以上に気持ちが高まっている様子を見せていました。

さらに小野さんは原さんの声の演技について「声優でなければ難しいはずの技術的な部分をすでに会得し始めていた。今作では、その力が遺憾なく発揮されていたと思う」と振り返りました。さらに「技術では練り上げられない素直な感情表現を声に乗せられるのが本当に素晴らしい。実写のドラマなどで培った表現が確実に声の演技にも生きていて、りせとして大きな存在感を放っていた」と力強く称賛し、さらに「マイカさんもストレートでやんちゃなアリスを魅力的に演じていた」と賛辞を贈りました。

トークの終盤には、篠原監督と山田音響監督から原さんとマイカさんへ、それぞれのキャラクターをイメージしたカラーモチーフの花束がサプライズで贈られ、最後に1人ずつ締めの挨拶を述べました。

篠原監督は「『アリス』は原作も有名ですが、ストーリーらしいストーリーがない分、作り手が自由にさまざまな要素を盛り込める作品。今回は現代風にアレンジし、ネットにあふれる情報をどう自分のものにしていくかを考えながら描きました。映画の中に答えがあるわけではありませんが、もしかしたらヒントのヒントくらいにはなるかもしれないと思っています。ぜひ楽しんでいただけたらと思います」と語りました。

そして、山田音響監督は「子どもが観ても笑って楽しめ、大人が観れば懐かしさを覚える作品だと思います。子どもの頃に観た映画が、大人になって見直すと全く違った意味を持つことがあるように、この作品も10年後、20年後に就職活動の時期を迎えた時など、違った見方ができるはず。世代を超えて周りの人に勧められる映画だと思います」と語りました。

続いて小野さんは、「嬉しい再会や親しい仲間との共演もあり、自分にとって思い出深い作品になった。出演自体はピンポイントの登場ですが、この作品に関わり再びこうしてステージに立てたことが本当に嬉しい。スタッフが心血を注いで完成させた作品なので、ぜひ皆さんの心に何かを残せる一本になれば嬉しいです」と。

マイカさんは「何かしら共感できるキャラクターやシーンがあると思うので、ぜひお気に入りを探しながら楽しんでほしい」とコメント。

最後に原さんは「去年の夏のアフレコ期間を思い出しながら楽しく話せて、とても充実した時間でした。私にとって『不思議の国でアリスと』は“お守りのような作品”。同い年のりせと同じように壁にぶつかったとき、前向きな言葉や明るい方向へ導いてくれるヒントを与えてくれる存在です。温かいスタッフ・キャストの皆さん、監督に見守られた時間も含め、とても大事な作品になりました。皆さんにとってもお守りのように大切な一本になれば」と力強く語り、観客にメッセージを贈りました。

挨拶の後にはフォトセッションが行われ、本作にも登場するハンプティダンプティの着ぐるみもサプライズで登場しました。登壇者の横に並ぶ愛らしい姿に会場からは笑いと歓声が沸き起こり、華やかな雰囲気のままイベントは幕を閉じました。

劇場アニメ『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』
スペシャルトークイベント付き上映会
◆日程:9月8日(月)
◆会場:丸の内ピカデリー2
◆登壇者:原菜乃華さん、マイカ ピュさん、小野友樹さん、山田陽音響監督、篠原俊哉監督
◆MC:儀武ゆう子さん

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